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お月様をあげたい
お月様をあげたい
今宵、銀のヴェールで着飾った少女（きみ）に・・・
その澄んだ浅葱色の瞳が
グレイの不安に染まらぬように
お月様をあげたい
闇の中でも歩調(テンポ）をあわせ
少女（きみ）を守る騎士(ナイト)をひとり
ともすれば騎士（ナイト）は
あまりに寡黙であいなし
却って少女（きみ）を戸惑わせるかも知れぬ
木々のざわめきが夜の帳で囁きはじめ
僕はもう
華奢な硝子細工を
こっそり引き出しに仕舞うように
少女（きみ）を懐へ入れてしまいたい
したが今宵は満天の夜・・・
数え切れぬ星たちは箒星（ほうきぼし）を筆頭に
ほんの僅かな帰り道
語り相手を務めるだろう
だからともかく騎士（ナイト）をひとり
お月様をあげたい
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