うたた寝



うすくれないの寒い午後

華奢で小さなフラスコの中


うつらうつらと しておりました


気付いた時には がんじがらめ

足や指や頭やら

そこいら中から想い出が

煙のように溢れ出て

心はたいそう苦しみました


振り向きたくない出来事が

四の五の言わせず押し寄せて

心は四角いトランポリン

宙に向かって飛び跳ねました


過ぎてしまった出来事までが

どうして私を諌めるのでしょう

心は十分痛んでいるのに・・・・


うすくれないの寒い午後

華奢で小さなフラスコが

パチンと音たて砕け散り

ガラスと想い出掻き分けて

素足で超えねばなりません